梅のアレコレ
高 砂 たかさご
花期 2月下旬〜3月中旬 豊後性
淡紅色の八重咲き。
江戸時代に命名された名前には謡曲に関係したと思われるものが多い。
この "高砂"からすぐ思いつくのは、婚礼の席での 「高砂やこの浦船に帆を上けて・・・」と、長寿の高砂の翁であろう。
そのどちらであっても福福しさが伺われる。
兵庫県の高砂の地名からとも考えられるが、謡曲の高砂も結局はその高砂の由来である。
玉垣枝垂 たまがきしだれ
花期 2月上旬〜3月中旬
白色、裏淡紅色の中輪で八重咲き。枝華性
「思いのまま」に近い一種である。
膨らんできた蕾、花つきの良いこと、樹勢が強健で枝のできが良いことなど類似点が多い。
初めての人でも作りやすい品種。
単弁跳枝 たんべんちょうし
花期 2月上旬〜3月中旬 野梅性
目立つような華やかさはない、一重の小輪の白花種で、花の付き方が他のものと少し変わっている。
普通のものは、長枝に直接花をつけるが、これほ所々に短い枝を出して、一重の花をチラホラ咲かせる。
そのため「一重の花を枝から枝へ跳びはねたように咲かせる」という意味で「単弁跳枝」と名付けられた。
中国梅 ちゅうごくばい
花期 1月下旬〜2月中旬
司枝垂 つかさしだれ
花期 1月下旬〜2月下旬 紅色、一重咲き。枝垂性
月 影 つきかげ
花期 1月中旬〜2月上旬 青軸性
青白色の鮮明な中輪の一重咲きの花で花弁は丸く抱え咲き。
香りが強い。
実梅のように力強い花である。
枝も萼も緑色で美しく、江戸時代から続く名花。
月影枝垂 つきかげしだれ
花期 2月上旬〜3月上旬
青白色の鮮明な中輪の一重咲き。枝垂れ性。
新梢の1部の葉緑素が欠けて、1本の黄色の筋になったものを筋入りといつて珍重している。
多くの品種でこの発生が見られるが、大阪城公園梅林ではこれだけである。
月の桂 つきのかつら
花期 1月中旬〜2月上旬 青軸性
青白色。一重、中輔の早咲き種。
「月影」に似るがやや大きい。
開花時に葯(やく)が残らない。
"月の桂"とは中国の伝説で、月の中に生えているという非常に高い桂の木をいう。
筑紫紅 つくしこう
花期 2月上旬〜3月中旬
紅色、抱え咲きの八重咲き中輪種。
花底は茶色。 野梅性
蕾が開き花になるまで変るものが多い中にこの花は殆んど変らない。
樹勢は普通。旗弁が出る。
大宰府天満宮に古い木がある。
ここでの古木は氏子からの献木が多い。
旗弁とは
てっけん てっけん
花期 2月中旬〜3月中旬 野梅性
花弁は退化してシベだけが残ってい目立ち、
ちょうど茶筅(ちゃせん)のような花をつける非常に珍しい品種で「茶筅梅」の別名がある。
退化した花弁は、寒気の中では小さく、室内で咲かせると大きくなる。
「本黄梅」とは異なって、花弁は丸く小さい 。
花弁とは花びらのことで、一つの花に何枚かあります、
これらを全部まとめて花冠(かかん)と言います。
なお、「
参照「てっけんの由来」
冬 至 とうじ
花期 12月中旬〜2月上旬
野梅系野梅性の品種で、花は中輪の一重咲きで白色。
蕚は紅褐色。
極早咲きで冬至の頃咲くのでこの名がある。
またの名を「本冬至 (ホントウジ)」という。
錦性 (二シキショウ)、花、香りともによい品種。
樹勢は強く、耐寒性にも優れていて、正月の寄値に多く使われる。
盆栽や庭木としても用いる。
他の梅が咲かない時にひとり奮闘して主役を務め、
他の梅が咲く頃には、役目を終えた花ガラが醜く哀れ。
朱鷺の舞 ときのまい
花期 2月下旬〜3月下旬 野梅性
白〜淡紅色、八重咲き。
大輪で花弁は内側ほど小さく、雄シべが多い。樹勢も強い。
初めてこの花を見て、花の姿と色彩に思わず出た名前といわれ、他に類を見ない見事さである。
青梅市の荻野義三氏が茶の木中に実生したものを育てた。
はるか遠くに大阪城天守閣
塒出の鷹 とやでのたか
花期 1月下旬〜2月中旬 野梅性
"塒"は見慣れない字であるが、"鳥家"の意味である。
従って、"鳥家出の鷹"と読み変えた方が分りやすい。
ほんのり東の空が明るくなった時のように、僅かに色付いた花で一重咲き。
薄紅の中でも最も白に近い薄い色(淡々紅色)、開花後に濃くなる。
錦性または筋入りもある。
参照「塒出」の鷹梅の品種由来
参照 百歌とは
参照 為家とは