梅のアレコレ
初雁 はつかり
花期:12月中旬〜1月中旬。
白色の極小輪まだほ中輪で一重咲き。 野梅性
晩秋、初雁が来る頃に花がみられるということから名付けられた。
しかし、その頃見られる花は 1輪か2輪である。
その花を見てから再訪しても1輪も見られないことがある。
中国では梅の鑑賞には探梅、賞梅、惜梅の三法があり。
早咲きの梅を一輪一輪探しながら楽しむ「探梅」を最も高雅な観梅法としています。
参照「梅鑑賞の三法」
一重野梅 ひとえやばい
花期 12月下旬〜2月下旬 野梅性 八重より早咲きが多い。
白色、一重咲き。中輪。
萼は茶色。花形よく、筋入りがある。
八重野梅を参照
一重緑萼
ひとえりょくがく
青白色、一重咲き。詳しくは緑萼を参照
一重緑萼枝垂れ
ひとえりょくがくしだれ
花期:2月下旬〜3月下旬
青白色、一重咲き。
緋の司 ひのつかさ
花期:1月中旬〜2月上旬 紅梅性
緋の司の花のような紅色を梅では「本紅」という。
本紅色(梅の花色の表現で、これより濃い色のものを濃紅という)八重咲きの中輪種。
花ビラはへら形でわずかに抱え咲き。
雄シべは長くきれいに開き美しい。
艶のある花弁が重なり台って見事である。樹勢は強健。
参照「梅の花色」
緋の袴 ひのはかま
花期 2月中旬〜3月中旬 杏性
紅色八重咲きの大輪。花弁の先が波うち、まるで緋色の袴のように見えることから命名。
花弁は内側も同じ大きさである。樹勢は強い。
豊 後 ぶんご
花期 やや遅く3月 やや自家結実性。
葉や花はアンズに似ており、牧野富太郎ほおそらくウメとアンズの雑種でほなかろうかと言っていた。
アンズの血が濃く、花も実もアンスに似る。
花の径は25〜40mmと大型で、八重のものが多いが、ときに一重の5弁、淡紅色、紅色、時に白色である。
弁は波打つ。萼は赤紫色で反転する。
ヤクは白色で花粉量が少なく、稔性の悪い品種で、受粉樹には不適。
果実は50mm以上と大型で6月下旬に熱す。
耐寒性が強く、果実が大きいので、実梅として東北地方などで良く栽培されている品種である。
豊後梅系統の一品種で、来歴には話説がある。
参照「豊後梅系統の来歴」
紅千鳥 べにちどり
花期 2月上旬〜3月中旬 紅梅性
明るい紅色の一重咲き、中輪の名花。
佐橋紅 (サバシコウ)の枝変り。
参照「枝変わり」
八重の花弁数は2通りあり、基本数の5枚の2倍の10枚前後の中国で複葉と呼ぶものと、10枚より多く中国で重葉と呼ぶものがある。
重葉の花弁は雄シべの変化によってふえるが、その変化の途中の小さな花弁を旗弁という。
紅千鳥は旗弁が出易く、この良く見られる花の中の旗弁を千鳥が飛ぶ姿にみたててこの名がある。
参照「旗弁」
紅 筆 べにふで
花期 2月中旬〜3月中旬 紅筆性
一重咲きで、節間の詰まった小型の品種。
蕾が尖つていて、小町娘のオチョボ口に紅をさすのにふさわしい紅筆のように先が紅色なのが特徴。
開花すると周りが紅色で中央が白いという口紅ぼかしの花は、中輪の中でも小さい方で愛らしい。
開花したその日は桜のように見える。
ほふん ほふん
花期 1月下旬〜2月下旬 野梅性
淡紅色。八重。中国、上海淀山湖梅林で中心となっている品種。
「ほふん」とほ「ツける粉」ということで、花の色合いが若い女性が「紅白粉」で化粧しだような感じなので「ほふん博粉」と名付けられだと推察される。
中国語の粉にほコプのほかにベニという意味がある。
白粉は本来オシロイではなく、オシロイとべニの意味があった。
「ほふん」は中国語ではべニを塗るの意味である。
名前のとおり、白い花びらにほ少しだけ紅がさされている。
本黄梅 ほんこうばい
別名:黄金梅(オウゴンバイ)
花期 2月中旬〜3月上旬 淡黄色。 野梅系野梅性
花弁が退化していて、細く小さくなった大変珍しい品種で、黄金梅 (オウゴンバイ)、黄梅 (キバイ)とも言われている。
5弁で花径12mm と極小論の一重咲きで、花弁に比べて雄シベが長く、離れて見ると花全体が黄色に見えるが、満開となれば白色になる。
香が強い。花弁は一見菱形をして舟底弁。花付きは悪い。
多くは小木で、盆栽によく用いられるが、樹勢弱く、生育力はよくない。
モクセイ科の 「黄梅 (オウバイ)」に対して 「本物の黄色い梅」という意味で、文献にほ「ホンオウバイ」とある。
参照「黄梅(オウバイ)」