梅のアレコレ
舞 扇まいおうぎ
花期 1月中旬〜2月上旬 野梅性
品の良い淡紅色の中大輪の花で、花形もよく、一重咲き。
6弁が多い。蘂は中長散開。
一重咲きの梅の花弁は5枚が普通だが、八重咲きのものは別として、
稀に、一本の木に6枚以上の花弁を見受けることがある。
このようなものを見つけ出すことを「花問い」またほ「花調べ」という。
「舞扇」は花弁が重なり台って、まるで扇を広げたように美しく、
この花弁を舞扇に見立て「舞扇」と名付けたと言われている。
巻立山まきたちやま
開花期:2月上旬〜3月中旬頃 豊後性。
花弁は細かく、波打つ 抱え咲き。
裏弁爪紅絞りの中輪輻 (2〜2.5cm)で一重の花梅。
摩耶紅まや こう
花期 3月中旬〜4月上旬 豊後性
紅色八重の中輪種。花弁が波打つ。
摩耶紅性として性を分ける説もあり。
摩耶は、神戸・六甲山系の摩耶山由来と思われる。
参照 梅の分類
満 月まんげつ
花期 12月中旬〜1月上旬 野梅牲
初雁、冬至と並ぶ早咲きであるが、長い間咲いている。
白色で中輪の一重咲き。
花弁が丸く、大きく重なって一つの円に見えることから名付けられた。
明治時代の名花12選の1つだという。
満月枝垂れまんげつ しだれ
花期 2月上旬〜3月中旬
花色は白色、一重咲きの中輪で雄シべが長い。
枝ぷりは荒い。
枝垂れ性。
未開紅みかいこう
花期 1月中旬〜2月下旬
豊後系の品種で、花は桃紅色の八重咲きの品種。
抱え咲きで、花弁数は約24枚であるが、1〜2弁開き遅れるのでこの名がある。
これ以上の淡紅色(桃色)はないと、その色含いが人気をよび、家庭でもよく栽培される梅である。
名前の由来にはこの他に未開の蕾が赤いという説、未開のままたくさんの蕾が落ちる赤い梅の意という説、等もある。
例えば:秀吉ゆかりの京都・京極三条の誓願寺の境内にある「未開紅」は蕾の間は蕾全体が紅色をして紅梅を思わせるが、
開花すると白色になるため、人々は開花する前の蕾の時に、紅色を愛し、楽しむのだという。
道知辺みちしるべ
花期 1月中旬〜2月上旬 野梅性
抱え咲きの代表種。
一重咲きで花はよくつくが、小枝ができにくい。
加温して正月用として売られている。
培養がよいと大きい花が咲く。
一重、大輪で5弁そろって正しい花形を示し、気品に満ちる一方で派手さも感じさせる。
多少抱え咲き。
開花時の紅色が、後に紫紅色に変る。
花は遠くから1本の木を見るとよく目立つ。
「少し行くと梅の木のある家があるから・・・」と道しるべに使われたから、と説明されても、それがコジツケのように聞こえない。
道知辺の言い伝え
三吉野みよしの
花期 2月上旬〜3月中旬 野梅性 ::接
白色に近い淡々紅色の一重咲きの小輪で、花弁は丸い。
受け咲き。
樹勢は弱いが、樹は小型で、よく枝分かれするので盆栽向き。
"み吉野"は吉野にかかる歌枕。吉野といえば桜を思う。
花の淡々紅色が桜色に近い。
武蔵野むさしの
花期かなりの遅咲きで、2月下旬〜3戸中旬
日本の梅の中で一番大きな花、巨大輪で豊後性。
普通の花一輪と"武蔵野"の花弁1枚の大きさがほぼ同じくらいといわれている。
八重で淡紅色。但し、八重咲きとしては弁数が少なく、二重ないし三重ぐらい。
暖かくなって咲くので遅霜に弱く、一朝で見る影もない花になってしまう。
シべは短く、不正形に開く。
蕾は赤茶色。豊後性としては枝の細い方で、樹の太りもよくない。
樹勢はやや弱いので、管理に注意を要する。
『草木奇品家雅見』によれば作出者はウツミとあり、恐らく染井の庭師内海家であろう。
武蔵野の品種改良の苦心
武蔵野の名の由来
無類絞りむるいしぼり
花期 2月下旬〜3月中旬 野梅性
波打つ白色の花弁に桃色がまじる。八重咲きの大輪種。
名前の由来は「これ以上ない最高の絞り」という意味。
夫婦梅枝垂めおとばいしだれ
花期 2月上旬〜3月中旬
淡紅色、八重。枝垂性
関西で「夫婦梅」といれれるものは、関東では「鴛鴦(オシドリ)梅=鴛鴦梅 (エンオウパイ)」と言われている。
2輪並んで花が付くところから名付けられだそうだが、なかには1輪だけのものや、三角関係のように3輪付いているものも見受けられる。
野暮な詮索はせずに「オシドリ夫婦→夫婦梅」ということでしょう。
1つの花に2つ実がなるものがあることから名づけられだとも言われている。
吉川英治がこよなく愛したとされる。
広辞苑によると「鴛鴦 (エンオウ)」は「オシドリ。鴛が雄、鴦が雌。
オシドリの雌雄が常に一緒にいるとして、夫婦仲の良いことのだとえとする。」とある。
米良 めら
花期 1月中旬〜2月上旬 自色の一重咲き。 野梅性
この名は江戸時代の本に花が小さいことで特記されている。
実態が不明であったのを昭和になり極小輪を捜し出してそれにこの名をつけたという。
米良の米は米粒の意味か。
まだ、古書に「米良の里よりいでし・・・」とあるところから付けられだとの説も。