13.旧小西家住宅 (きゆうこにしけじゆうたく)中央区道修町一丁目
[国の重要文化財 ]
空襲で木造の商店が並ぶ船場の町並みは姿を消し、今は近代的なビル街に変身してしまった。
そんな中で往時のたたずまいをそのまま残しているのが旧小西家住宅で、昔の船場の雰囲気が偲ばれる。
[土蔵造りの3階建て表屋造り]
表屋造りは、道路に面してオモテに店、中庭を介してオクに住居。
その外装から「烏御殿」との別称もある大きな商家建築。
大通りから見える黒々とした外観は、もともとは隣接する幹線道路である堺筋拡幅の際に建物を一部取り壊し、補修した際に施されたもので、この建物がもともと持っていた意匠ではない。
登録文化財の過程を経て現在は重要文化財に指定されている。
大阪商家を代表する近代和風建築で、都市の中心部にある姿には、大阪の誇りと美学を感じる。
明治2年(1869)製薬業として創業したが、明治17年(1884)アサヒビールの源流である「アサヒ印ビール」を製造・販売。サントリーの創業者・鳥井信治郎も丁稚としてここで働き、酒の取り扱いについて学んだ。
現在は「アロンアルファ」や「ボンド」で有名な接着剤と化成品事業の会社『コニシ』の社屋。
旧社名は小西儀助商店だったが、昭和51年(1976)に現社名の『コニシ』に改称した。
明治36年(1903)築、[国の重要文化財]
【旧小西家住宅史料館】
住所
大阪市中央区道修町1丁目6番9号
入館料 無料
電話番号 06-6228-2847(コニシ株式会社 総務部
受付時間 10:00 ? 12:00、13:00 ? 17:00
(土日祝・夏季休暇・年末年始は除く)
アクセス
◆大阪メトロ
堺筋線「北浜駅」5番出口より徒歩約1分
◆京阪電車
京阪本線「北浜駅」27番出口より徒歩約6分
ここからは雄大な景色が遠望できます。
対岸の港区・天保山には観覧車と斜張橋の天保山大橋や海遊館 が見えます。
金色の帽子を被った白と青の2本の塔は
大阪市環境局の舞洲工場とスラッジセンター (下水 汚泥処理場) の煙突です。
クレーンの向こうに見える白いアーチ橋は此花区北港の舞洲と夢洲を結ぶ夢舞大橋、
東方には巨大な赤い橋梁の港大橋が見えます。
眼前の海が大阪港の主要水路で、西方の港口では赤い灯台と白い灯台が次々に通過する船舶を迎えます。
ここは太古の住吉浦にあたり、
遠くに六甲の 山影を望む歌枕 (歌に詠まれる名所)で、
「住の江の岸による浪よるさへや 夢の通ひ路人目よくらむ」
(『古今集』 藤原敏行朝臣)ほか多くの和歌に詠まれてきました。
戦国時代には信長の鉄甲船と毛利水軍が 激突し (木津川口の戦い)、
江戸時代には天保山沖が 「出船千艘、 入船千艘」といわれるほど多くの廻船で 賑わいました
。現在、海釣りに開放されている岸壁もあり、釣り人が糸を垂れています。