中之島
-
★当初は、明治15年(1882)12月に現在の大阪倶楽部の場所で開業。
★明治36年(19O3)1月現在地に移転
★明治36年(1903)大御所、辰野金吾博士が設計。
ネオ・ルネッサンス風、キャピタル (柱頭飾り)はバロック調。
★昭和55年(1980)、新館
旧館も、外壁（花崗岩)以外は建て替え
ただし、外観及び内部の旧貴賓室まわりおよび、青緑色のドームをもつ石造３階建ての部分は正確に復元。
★明治初期には郵便役所となった後、関西財界の指導者・五代友厚の邸宅があった所でもある。
明治
日本銀行のパンフレットの写真だが、淀屋橋を渡り切った御堂筋と日本銀行の建物との距離と現在の前庭とを現地で比べてください。
★堂島新地が開発されて後、元禄10年(1697)に米市は中之島からここ堂島に移された。
享保15年(1730)、将軍徳川吉宗によって米の価格を安定させる先物取引制度を整備させるため、公認の帳合（ちょうあい）米市場である。
江戸時代、大坂のほかに江戸、大津、下関にも米市が立っていたが「堂島米会所」で立った相場で取引がなされ、ここで立った相場が全国の米価の基準とされた。
先物取引の仕組みは、シカゴの商品取引所より１００年以上も早く、世界で初めてのものだった。
明治26年(1893)に「堂島米殻（べいこく）取引所」と改称され、昭和14年(1939)に廃止された。
大阪府の誕生
明治元年1月22日（1868年2月15日）に明治政府は大坂鎮台を設置。
1月27日、大坂鎮台を大坂裁判所に改称した。
4月、大坂裁判所に町地を除く周辺部を管轄する司農局設置。
5月2日、大阪府設置当初は西町奉行におかれた。
府庁は明治7年居留地近くの江之子島に大阪府庁舎が建てられた。
江戸時代の大阪三郷
四大組の誕生
★江戸時代、大坂の市中は幕府の派遣した大坂町奉行支配のもとに北組、南組、天満組の三組に分かれ、総称して大坂三郷と呼ばれた。
四大組の誕生
明治2年（1869）に大坂三郷を再編し、大坂市街地に東大組、南大組、西大組、北大組が誕生した。
後の東区、南区、西区、北区（旧）である。
それは大阪に市政ができる前のこと。大阪市より前に４大区があった。大阪市の誕生
★大阪市は、明治22年 (1889)に大阪府と一体の行政体としてスタート。
★現在の大阪市役所は４代目の市庁舎
★初代 明治32年(1899)江之子島に新市庁舎。大阪市が独立
２代目明治45年(1912)に堂島浜(梅田入り堀沿い)に２代目新庁舎
３代目大正10年(1927)に現在地に完成
４代目昭和57年(1982)
３代目市庁舎
案 小川陽吉
実施設計 片岡安（辰野金吾の片腕）
★昭和30年(1955)、屋上の鐘楼に「みおつくしの鐘」を設置。明治 (1868～1912) 明治元年7月 1868 大阪港開港(慶応4年) 明治22年4月 1889 市制(特例)施行 明治22年10月 1889 4区に区役所を設置 明治28年11月 1895 上水道創設、初通水 明治30年4月 1897 第1次市域拡帳 明治36年3月 1903 内国勧業博覧会開催 明治36年9月 1903 花園橋～築港に初の市電開通 大正 (1912～1926) 大正7年11月 1918 中央公会堂落成 大正10年5月 1921 中之島に市庁舎完成 昭和元年～40年 (1926～1965) 昭和6年11月 1931 大阪城公園・天守閣完成、中央卸売市場を開設 昭和8年5月 1933 梅田～心斎橋に地下鉄初開通 昭和9年9月 1934 室戸台風で大風水害 昭和12年5月 1937 御堂筋が完成 昭和25年9月 1950 ジェーン台風で大きな被害
[国の重要文化財]
★明治33年 (1900)に住友本家１５代当主友純 (ともいと)が建物と図書一式を寄付。
★明治37年(1904)に「大阪図書館」として開館
★設計は住友家の建築技師、野口孫市と日高胖(ゆたか)
古代ロ一マ神殿風の重厚な外観
★大正11年(1922)住友家の寄付により左右両翼の閲覧室が増築
★昭和49年(1974)、本館と両翼２棟が国の「重要文化財」になった。
★平成8年 (1996)5月、蔵書の大半を東大阪市の新府立図書館に移転。
★ビジネス書や定評ある大阪の郷土資料の閲覧・貸出用となった。
-
★大正7年(1918)に完成。
★設計は岡田信一郎の案
辰野金吾(東京駅・日銀大阪支店設計)
★ネオ・ルネッサンス様式
バロック形式の大胆なアーチ、赤レンガタイルの壁と青銅屋根のコントラストが美しい。
★ヘレン・ケラー女史、ガガ一リン大佐、ゴルバチョフ氏などの講演会が開かれた場所である。
★平成14年 (2002)秋、３年半の保存・再生工事で復元(耐震構造に改築)
★株の仲買人 岩木栄之助 私財100万円(現在なら10億)を寄付
公会堂の完成を待たずに大正5年(1916)10月ピストル自殺
★大正12年(1923)、第１７代大阪市市長に就任。
在職期間は３期約11年間。
昭和9年(1934)9月、室戸台風後の大阪の復興に奔走中、腸チフスにかかり、翌10年1月、63歳でこの世を去った。
★業績:
【骨子】
市域の拡大、都市計画の樹立
都心部の過密状態を緩和
①地下鉄・市バスの運行
②御堂筋計画の着工と完成
歩道・緑地・車道の区画され
緑地と歩道にはプラタナスと銀杏
建物の高さ制限
電柱は認めずなど
③港湾拡張工事
④市民病院開設
⑤市立商科大学 (現市立大)創設
⑥中央卸売市場開設
⑦大阪城天守閣復興と公園整備など
★昭和57年 (1982)世界的に有名な「安宅コレクション」を、住友グループ２１社から寄贈されたことを記念して設立された。
館蔵品は、「安宅コレクション」の中国陶磁・朝鮮陶磁を中心に約40OO点に及び、この中には
油滴天目茶碗と
飛青磁花生（とびせいじ はないけ）の２点の国宝と１３点の重要文化財が含まれている。
東洋陶磁のコレクションとしては、世界第１級の質を誇っている。
木屯長門守重成表忠碑
(きむらながとのかみしげなり ひょうちゅうひ)
★大坂冬の陣、夏の陣で名をはせた豊臣方の武将
明治29年 (1896)当時この地にあった豊國神社内に建てられた。
★豊国神社は後に大阪城に移転したが、碑はこのまま残されている。
★父は木村常陸介重慈、
母は豊臣秀頼の乳母右京太夫局
秀頼に仕え三千石を与えられていた。
★慶長19年(1614)大坂冬の陣が起きると大坂城玉造口を守備
後藤又兵衛基次らと城を出て戦い
★翌年夏の陣では、徳川方の藤堂高虎の軍勢を破ったが
井伊直孝一万五千の軍勢と衝突し、現在の東大阪市若江あたりで戦死した。
弱冠22歳で戦場に散った勇者。
兜に香を焚き込めた、その覚悟の出陣は、家康に、あっぱれと感心させたと言う。
小西新右衛門
小西酒造（酒は白雪）
三代目山口吉郎兵衛
大阪第百四十八国立銀行を設立
平瀬亀之輔
大阪の豪商千草屋の7代。第三十二国立銀行を設立
廣岡久右エ門
加島屋、大同生命、広岡朝子
淀屋橋周辺
中央区北浜四丁目淀屋橋南詰西側
★淀屋初代の常安(じょうあん)は、秀吉が伏見在城のとき淀川の築堤工事を請負い財をなした。
その後大坂の陣では徳川方にくみし、大坂三郷の惣年寄にも任せられた。
★二代个庵 (こあん) のとき、
①靱 (うつぼ)に海産物市場を開き、
②西国諸藩の蔵米を取扱い、
③淀屋の米市を開き、
④金融業や廻漕業を営むなど経営の多角化をはかり、
二代で巨万の富を築いた。
その屋敷はこの付近から北浜にかけ百間四方(約33,OO0㎡）の広さをもち、
内装も当時珍重したガラスを多用し豪奢をきわめた。
★宝永2年(1705)五代目辰五郎 のとき
驕奢(きようしゃ)な生活は町人身分を越え、
訴訟のもつれで、全財産を没収、所払いになり淀屋も没落した。
北区、中央区土佐堀川 [国の重要文化財]
★江戸時代初期に活躍した豪商淀屋の二代目个庵(こあん)が、架けたと伝えられている。
★現在の橋は、昭和10年(1935)に御堂筋の建設に伴い架けられたコンクリート・アーチ橋である。
★橋の南詰西側には宮本又次氏の碑文を刻んだ「淀屋の碑」が、北詰の日本銀行大阪支店正面には 「淀屋橋・大江橋欄干復元」の碑が据えられている。
★平成2O年 (2008)、北側の大江橋と共に重要文化財に指定された。
★林市威は、肥後 (熊本県)出身。5歳の時、父を亡くし、母と共に極貧の中で子ども時代を過ごす。
苦学して東京帝国大学卒。三重・山口県知事、大阪府知事 (官選15代)を歴任。
府知事時代、大正7年(1913)米騒動に際し小河滋次郎と共に「方面委員」を創設。
現在の民生委員制度の始まりで、「民生委員の父」と言われる。
そのきっかけは、理髪店で散髪中だった市威が、鏡に映った貧しい新聞売りの親子の姿を見かけたことだったという。
この銅像の場所は、その理髪店 「モーラ館」跡地。のちに日本信託銀行頭取などを務めた。
中央区北浜四丁目
三井住友銀行大阪営業部の東の壁沿い
我が国最初の手形交換所として、明治12年(1879)当地に開設された。
ちなみに東京での開設はこれより8年後のことであり、
当時の大阪における手形取引の盛況と、大阪金融界の先進がうかがえる。
★青々は本名を弥三郎、明治2年(1869)岩地で生まれた。
幼少のときから漢詩、和歌を学び、俳句を新聞や「ホトトギス」などに投句していた。
子規に称賛され、明治32年 (1899)上京して1年ほど「ホトトギス」の編集に従事した。
帰阪後は朝日新聞社に入社、朝日俳壇の選句を担当、大阪に活況をもたらした。
明治34年(1901)「宝船」「倦鳥(けんちょう)」を主宰、大阪俳壇の基礎を築いた。
昭和12年 (7937)没。
★日本最初の純洋風劇場である帝国座は、明治43年(1910)新派の拠点として、オッペケペ一節や壮士芝居で知られる川上音二郎(1864-1911)により建てられたものである。 オッペケペー節
「オセロ」「ベニスの商人」などを上演した。
しかし興行的には失敗で、音二郎自身も翌年舞台で倒れ、楽屋で愛妻貞奴にみとられながら死んだ。
この建物は、昭和40年 (1965)ころまで存在していた。
現在はシュナイダーエレクトリック大阪ビルディンクというビルの通用門の前の植え込みに 金属の案内板があるだけ。
中央区北浜三下目 [国の重要文化財 ]
★適塾 (てきじゆく)とは、蘭学者・医者として知られる緒方洪庵が、江戸時代後期の天保9年(1838)に大坂船場瓦町に開いた蘭学の私塾。
正式には適々斎塾という。また、適艮塾とも称される。
緒方洪庵の号である 「適々斎」が名の由来。
適塾
1838年（天保9年） 洪庵が津村東之町（現：大阪市中央区瓦町三丁目）に蘭学塾を開く。
1845年（弘化2年） 過書町（現：大阪市中央区北浜三丁目）の商家を購入し移転。
1846年（弘化3年） 大村益次郎が入門。
1855年（安政2年） 福澤諭吉が入門。
1860年（万延元年） 除痘館が適塾の南へ移転。
1862年（文久2年） 伊東玄朴らの推挙により、幕府が強く要望したため、洪庵が江戸幕府奥医師および西洋学問所頭取就任を受け入れて江戸に移住。
西洋学問所では適塾式の授業が行われた。
大阪の適塾塾生の教育には緒方拙斎（養子）が当たった。
1863年（文久3年） 洪庵が江戸の医学所頭取役宅で客死。
1868年（明治元年） 適塾閉鎖。
緒方洪庵は岡山の人で17歳で来阪、中天游に学んだ。
天保9年(1838)洋学を志す者のために、自宅に塾を開いた。
１階の奥が洪庵の家族の住居で、2階は塾生が起居していた。
そのなかから、大村益次郎(ますじろう)・橋本左内(さない）・福沢諭吉・長与専斎(ながよせんさい)らを輩出し、
また緒方法度は、大坂で最初の種痘を実施するなど医学者としても活躍した。
(大阪市 歴史の散歩道から)
★明治13年(188O)創立
明治22年(1889)に市立幼稚園
船場北部の連合町会 (現在の平野町以北）によって創設
現存する日本最古の幼稚園舎
船場町人の心意気を今に伝える
★明治34年(1901)に現在地に竣工
建物は、高塀と大屋根が印象的な御殿風
二層映き抜けの大空間に格天井
アール・ヌーボ一調の照明など
和風ながらも近代的
★平成19年 (2007)に [国の重要文化財]に指定された。
中央区今橋三下目 愛珠幼稚園前
★銅が重要な輸出品であった江戸時代、日本は世界有数の銅産国であった。
明和3年(1766)に銅集めの役所として銅座が設立された。
その役割は国内産銅の精錬・売買を独占し、諸国の銅山で産出した荒銅は、銅吹屋仲間の手によって精錬され (住友銅吹所)、それを集荷して海路にて長崎へ回送された。
国内で使用される銅はこの輸出品の残りで、銅の密売を防ぐため古銅類買上の精細な規定が作られ、銅器の破片に至るまで銅座が管理した。
★江戸時代、オランダ商館長一行が江戸へ行く時は、銅座に宿泊し住友銅吹所を訪ねるのが通例となっていた。
★なお、碑の左側面に「近世銅の精錬と売買はこの銅座で総括していた。
銅座の制度は明和3年(1766)から維新までつづき、明治13年その跡に愛珠幼稚園が設けられた」。
右側面に「市制施行70周年記念事業 昭和38年3月 大阪市建立」 と刻まれている。
★大阪の除痘館は、牛痘種痘を行う場所として、緒方洪庵(187O～1863)が中心になり嘉永2年11月7日(1849)に古手町 (道修町)に開設した。
それは牛痘が初めて長崎に渡来した年である。
★大阪では種痘活勤はまことに盛んで安政5年4月24日(1858)には全国にさきがけて宮許を得た。
後に万延元年1O月(186O)にはこの場所、すなねち当時の尼崎町一丁目、現在の今橋三丁目に移って事業を拡張した。
除痘館記念資料室 (当緒方ビル 4階) 平日l0:00-16:00 土曜10:00-13:00 日祝休館 入館無料
中央区今橋三下目 日本生命ビル南側側面
★享保9年(1724)に中井甃庵 (しゆうあん)が五人の町人 (五同志)と協力して創設された大坂の学問所で、 嘉保11年(1726)幕府公認の官許学問所となる。
適塾と並び、大阪大学の源流の一つである。
★学問の内容は、「論語」「孟子」などの中国古典を基本としながらも、自然科学の分野においても数多くの実績を残している。
明治2年(1869)にその歴史を閉じるまで、145年の間、道徳の根本である 「人の道」を追及しつづけた学問所だった。
門下生として富永仲基 (なかもと)・山片蟠桃 (やまがたばんとう)らを輩出している。
★塾生は武士から庶民まで幅広く、席順も身分に関係なく、商人のことも考え遅刻・早退も自由であった。
謝礼も基準はあったが、貧しい者は資力に府じた額であった。
★現在でも春秋2回、大阪大学の企画で懐徳堂講座を行っている。
★江戸時代は「天下の台所」として繁栄していた大阪も、明治維新により致命的な打撃を受け、活気を失った。
このため大阪の経済発展を願って、会議所設立の機運が高まり、 明治11年(1878)8月「大阪商法会議所」が開設された。
★初代会頭となった五代友厚らの情熱と、すぐれた経済感覚により立て直しがはかられ、今日の大阪発展の基礎を確立した。
★昭和3年 (1928)には名称も「大阪商工会議所」となり、現在に至っている。
中央区平野町三下目
★江戸時代、大坂の市中は幕府の派遣した大坂町奉行支配のもとに北組、南組、天満組の三組に分かれ、総称して大坂三郷と呼ばれた。
★三郷の区分けは、元和年間(1615～1624)から寛永年間(1624～1644）にかけてまず北組と南組、最後に天満組が形成された。
★大阪市にある梅田(キタ)と難波(ミナミ)を結ぷ全長4.7km、幅43,2m の大通り。
北御堂(西本願寺・津村別院)と南御堂(東本願寺・難波別院)が沿道にあることからこう呼ばれる。
平成26年9月現在はイチョウ約972本、クスノキ約79本
★6車線の道路で、昭和45年(1970)から梅田新道交差点より南の全車線が南行きの一方通行となった。
★江戸時代以来、淀屋橋筋は幅6mほどの道路だった。
關一(せきはじめ)の計画で、大正15年(1926)から昭和12年(1937)にかけて地下鉄建設と含わせて拡張工事が行われた。
昭和12年(1937)5月11日に完成し、ほぼ現在の姿となった。
御堂筋周辺の建物は高さ百尺(約30.3m)までに制限されたため、ビルの高さが揃った整然とした景観がつくられた。
現在では壁面後退などを条件として高さ制限は緩和されている。
平成19年(2007)に誕生70周年を迎えた。
芝川ビル (しばかわビル） 中央区伏見町三丁目 ビルを建てた芝川家は、江戸時代、この場所で唐物問屋をしており、住友、鴻池に次ぐ豪商であった。
大正12年 (1923)、関東大震災の惨状を目のあたりにした四代目当主が、
「火事、地震に強い建物を」と新しいビルの建設を決める。
しかし完成した建築には耐久性だけではなく、
重厚な外観は加古川下流域の竜山石 (たつやまいし)をふんだんに用いた、
古代マヤ・インカ文明を思ねせる彫の深い濃密な装飾が施された。
全体をアール・デコ風にまとめられているビルである。
昭和4年 (1929)開校から昭和18年 (1943)の閉校まで、関西一円の名門女学校を卒業したお嬢さん達、いわゆる「いとはん」たちが学んだ 「芝蘭社 (しらんしゃ)家政学園」は、現在の女子短大のはしりであった。
また、今も玄関の上に昭和24年 (1945)の大阪空襲の焼夷弾の跡が残っているビルと言われている。
アール・デコ:
定規で引いたような直線(一点から発する放射線)、コンパスで画いたような円や円弧、それらの連続模様である波模様、イナズマ模様、流線型といった幾何学模様に特徴がある。
昭和2年(1927)築、設計は澁谷五郎、本間乙彦 [国登録有形文化財]
北浜周辺
中央区北浜一丁目 花外楼入口
明治8年(1875)新政府強化のため大久保利通、木戸孝允(たかよし)、板垣退助、井上馨、伊藤博文が大阪北浜の料亭 「加賀伊」で行った会議が大阪会議といわれる。
明治維新後の間もない頃、
征韓論による新政府の分裂、
征台の役の強行に伴う木戸の下野など政局の行詰まりを打開するために、
伊藤博文、井上馨の仲介で会議が実現し、
紆余曲折を経た会議は一カ月にも及んだが、立憲政体への漸次的移行ということで、大久保と木戸、板垣の間に妥協が成立した。
中央区北浜一丁目
江戸時代、金、銀、銭の三種の貨幣があったが、3貨幣の間で交換比率を決める必要があった。
幕府が定めた比率は複雑な上、関東では金が主流、関西では銀が主流と、地域により流通貨が異なっていたため、実際はこの金相場会所が決めた。
そのため金相場の会所は存在価値が高かった。
★会所は最初高麗橋付近にあったがその後、現地に移り、明治新政府の銀目取引停止により、この会所は閉鎖された。
のちに大阪株式取引所となり、更に現在の大阪証券取引所へとなる。
★平成25年(2013)7月を以て現物株式の取引は東京証券取引所クループに統合され、
7月以降はデリバテイブ(金融派生商品)に特化し、
平成26年(2014)3月に「大阪取引所」として生まれ変わる。
-
江戸時代の関東では金が主流の主役である。
4進法で4朱で１分、4分で１両
中央区今橋二丁目
旧報徳銀行大阪支店。
大正11年(1922)築、設計は河含浩蔵 [国登録有形文化財]
茶褐色タイルの外壁が街に馴染んでいる。
現在、かつて営業室には、大阪発の人気スイーツ店「五感」が本店を構える。
堺筋に残る近代建築にはカフェやレストランが入り、金融の街が若い女性達の注目するエリアになってきた。
北区、中央区
★三休橋筋とは、大阪市内を南北に走る道路の一つ。
御堂筋と堺筋の中間に位置し、 栴檀本橋筋(せんだんのきばしすじ）ともいわれる。
トウカエデの並木が整然と続いて緑が豊かな通りであり、レトロな建物が軒を連ねる様は洗練された趣がある。
かっての船場の繁栄を思わせて良い散歩道である。
★北は北区中之島の大阪市中央公会堂の真横から始まり、土佐堀川を栴柚木橋でわたり、船場の中央を南北に貫いて長堀通りの三休橋跡に至る。
さらに島之内を通って太左衛門橋で道頓堀川をわたって中央区の道頓堀商店街で終わる。
(なお、そこの斜め右側から千日前の商店街が始まり、なんばクランド花月前を通り千日前道具屋節となる)
★三休橋交差点より北は歩道もある幅の比較的大きな道であるが、全体的にこじんまりとしている。
通りには企業の本社ビルが多く、かつて、船場のメインストリートの一つだった名残である。
三休橋交差点より北側は北行きの一方通行、南側は道幅も狭く南行きの一方通行。
★平成19年(2007)から、地元企業などの支援によりガス灯が設置されている。
電柱・電線の埋設化も行われ、夕暮れにはレトロな灯りを楽しめる通りとなった。
和歌山へ至る紀州街道の一部区間に当たり、江戸時代の船場において堺へ出る道であったことから堺筋と呼ばれ定着した。
当時から人通りが多く、南北方向のメインストリートであったが、大川には架橋されていなかった。
大川以北からの人通りは大川に難波橋が架かる一筋西の難波橋筋に流れ込むようになっており、難波橋筋は西宮へ至る中国街道の一部区間に当たる。
江戸時代の大坂は東西方向の道路が主で、従である南北方向の道路は3.3間幅しかなく、南へ延びる堺筋と北へ延びる難波橋筋とで繁栄を二分していた。
堺筋は1908年（明治41年）に日本橋3交差点 - 恵美須交差点間が拡幅され、大阪市電南北線が敷設された。
次いで、1912年（明治45年）に北浜1交差点 - 日本橋3交差点間が12間（約21.8m）に拡幅され、大阪市電堺筋線が敷設された。
この際、大川北岸の天満へ向けて、難波橋に市電を通す計画に対して反対運動が起こった。
そのため、1915年（大正4年）に堺筋に新・難波橋（現在の橋）が架けられ、天神橋1交差点 - 北浜1交差点間には大阪市電天神橋西筋線が敷設された。
以降、旧：難波橋が撤去された難波橋筋は裏筋化の一途をたどり、以前の難波橋筋の役割が加わった堺筋は人通りが倍増した。
北区、中央区 ★堺筋とは、大阪市内を南北に走る幹線道路の一つ。
北区南森町から南北船場を通り、島之内から日本橋を渡り、浪速区恵美須交差点を経て堺へ出るところから付いた名前。
さらに南下すると紀州街道になる。
★御堂筋が拡幅される昭和初期までは、大阪市のメインストリートだった。 大正時代には、北から三越 (高麗橋)、白木屋 (備後田)、高島屋 (長堀橋)、松坂屋 (日本橋)の四つの百貨店が建ち並び繁栄を極めた。
現在は御堂筋と並んで渋滞の激しい道路の一つである
★元々は拡幅前の御堂筋などと同じく、江戸時代以来道幅約6ｍの狭い道路であったが、明治44年(1911)に大阪市電の経路として道幅を12間(約21.8ｍ)に拡幅する工事が始まり、翌1912年に市電堺筋線ともども完成。
後に交通渋滞や地下鉄建設のため市電堺筋線は廃止され、現在はほぼ全線の地下に大阪メトロ堺筋線が通っている。
★日本橋三丁目南交差点より北側は北行きの一方通行である。
北区、中央区土佐堀川
★江戸時代には天神橋、天満橋と共に「浪花三大橋」と呼ばれた。
寛文元年(1661)天神橋とともに公儀橋とされた。
江戸時代の難波橋
橋の長さが108間（約207m）もの大型の反り橋だった
明治時代には鉄橋になった
明治9年(1876)であるとされるが、橋の架替えに合わせて中之島の先端が上流の方へ延長されたことにより、橋は南北に分けられ、この北側部分のみが鉄橋になったようである。
このころ、中之島は東に延びている
★明治45年(1912)大阪市電堺筋線の北浜以北への延伸にともない、現在の場所に架け替えられた。
【特徴】
・石橋風の外観、
・公園と一体となった階段、
・高欄の獅子像、
・市章である「みをつくし」をかたどった欄干、
・橋上灯など
★天岡均一作のライオンの石像が左右両側にあるため、「ライオン橋」とも呼ばれている。
★橋名板は、元・平松市長と元・橋下市長の筆による。
-
難波橋（なにわばし）筋 － 現在は藤中橋（ふじなかばし）筋と呼ばれている。
かつては大川に難波橋が架橋され、難波橋筋は西宮へ至る中国街道の一部区間に当たり、隣の堺筋と繁栄を二分していた。
しかし、１９１１年の市電敷設計画に反対したことが明暗を分け、１９１５年にはシンボルだった難波橋が堺筋に架け替えられた。
その７年前の１９０８年に長堀川に藤中橋が架橋され、難波橋を失った難波橋筋名前も藤中橋筋とも呼ばれるようになった。
-
北区、中央区土佐堀川
★江戸時代、中之島には諸藩の蔵屋敷が建てられ、船場との連絡のために土佐堀川には多くの橋が架けられていた。 この橋もそうした橋の一つであった。
★橋名の由来は『摂津名所図会大成』ではこの橋筋に栴檀の大木があったためとしているが、詳らかではない。
明治になって木橋のままであった橋が、
明治18年(1885)大洪水で流出、
明治37年 (1904)に大阪府立図書館が建てられ、
明治末には大阪市庁舎の建設が決定され、大正3年再架された。
★その後、昭和1O年 (1935)に架けられた橋は桁の高さが一定のシンプルな美しさを強調した設計であった。
昭和6O年 (1985)9月、新しい橋に架け替えられる際、旧橋のイメージを大切に背景にある歴史的建築物との調和を考えてデザインされた。
★橋詰に由来碑や大正時代の親柱、先代の橋の橋名板やセンタンの木のレリーフなどが展示され、橋の歴史が一目で判るようになっている。
中央区今橋一丁目
★関東の金遣い（つかい）、上方の銀遣いとも言われるように
江戸時代には金、銀、銭3貨幣が併存していた。
両替業はこのような
貨幣の交換を営み、
さらに貸付、手形振出、為替、預金、大名貸などを行い、
「天下の台所」といれれた大坂で最も発達した。
★大坂の両替業は天王寺屋五兵衛が寛永5年(1628)に始めたといわれ、
寛永12年(1635)には平野屋五兵衛も開業している。
寛文10年(1670)に ＜十人両替＞ができ、格式の高い両替商が選ばれている。
天王寺屋も平野屋も十人両替を務める豪商で、 今橋一丁目の八百屋町筋に両者が店を構えていた。
そこで八百屋町筋あたりを「天五に平五 十兵衛横町」と呼ぶ ようになった。八百屋町筋
道修町あたり
中央区今橋二丁目 明治36年(1903)築、 [国の重要文化財 ] 
★ [土蔵造りの3階建て表屋造り] 表屋造りは、道路に面してオモテに店、中庭を介してオクに住居。
★大通りから見える黒々とした外観は、もともとは隣接する幹線道路である堺筋拡幅の際に建物を一部取り壊し、補修した際に施されたもので、この建物がもともと持っていた意匠ではない。
明治2年(1869)製薬業として創業したが、明治17年(1884)アサヒビールの源流である「アサヒ印ビール」を製造・販売。
サントリーの創業者・鳥井信治郎も丁稚としてここで働き、酒の取り扱いについて学んだ。
現在は「アロンアルファ」や「ボンド」で有名な接着剤と化成品事業の会社『コニシ』の社屋。
旧社名は小西儀助商店だったが、昭和51年(1976)に現社名の『コニシ』に改称した。
日本基督教団浪花教会 (キリストきようだんなにわきょうかい）
旧大中証券ビルの隣にあって、一種独特のたたずまいを見せている。
先のとがったアーチの長い窓、白い壁に高い塔屋。
入口まわりの意匠も派手ではなくシックである。
しかし風雪に耐えた姿は痛片しい。
信者の何の支えとなって幾星霜、汚 れた扉がその歴史を感じさせる。
玄関を入り、階段を上がり2階の礼拝堂へ。
重厚な色含いの木の腰壁と、クリームがかった優しい白色で塗り速められた天井。
そこに色ガラスのはめ込まれた大きなアーチ窓から光が注ぐ。
中央公会堂から真っ直ぐ南に延び、並木道が美しい三休橋筋に面して建っている。
昭和5年(1930)築 設計は竹中工務店だが、指導にW・M・ヴォーリズが関わっている。
ちなみに礼拝堂の窓のかたちは、同じくヴォーリズ設計の大丸大阪心斎橋店１階の、エレベーターホールとそっくりだ。
明治9年(1877)に設立されたプロテスタント教会。
日本で初めて、日本人の手によって作られた自給教会。
船場に残る数少ないレンガ造りの建築の一つです。
明治45年(1912）建てられました。
旧大阪教育生命保険ビル。
辰野金吾・片岡安が設計した。
赤レンガに白い石でストライブを巡らせ、屋根にはドームを載せた。
中央区道修町二丁目
★薬で有名な道修町にある。
享保7年(1722)、長崎経由で輸入した漢方薬を扱う業者が124軒あり、
吉宗の病気が献上薬で治ったことから、幕府から薬種仲買作間として公認された。
その後、幕府が設けた「和薬種改会所」で、薬の検査を行った。
★少彦名神社は、安永9年(178O)、薬種仲買作間で組織する伊勢講が、
京都五條天神社より分霊を道修町の仲間会所に勧請し、
以前より祀っていた古代中国の医薬の神様 「神農」とともに日本の薬神 「少彦名」を台わせ祀るようになった。
境内のビル内には「くすりの道修町資料館」がある。
毎年11月22・23日祭礼 (神農さん)が行われ、病除けのお守り「張り子の虎」と福笹が授与される。
1O:O0一16:00 日祝、8/13～16・12/28～1/4休館 入館無料
★少彦名神社ご鎮座22O年を記念して、「春琴抄」の碑が神社参道の入口に建立された。
谷崎潤一郎作 「春琴抄」は、盲目の三味線奏者・春琴に、丁稚の佐助が献身的に仕えていく物語。
谷崎潤一郎が、その妻松子夫人への思慕を春琴と佐助に託した、
近代文学史上屈指の名作として広く知られており、大阪道修町薬種商が舞台になっている。
谷崎は東京生まれだが関東大震災後、関西に移住を契機に、作風は大きく変化し、作品は豊穣の時を迎えるのだった。
中央区高麗橋光東詰
★江戸時代の里程計算の起点は、高麗橋の東話にあった。
ここが京街道・中国街道・紀州街道など諸国への道のり、車馬賃の起点となった。
明治9年(1876)道路の制度公布により、引き続き里程計算の起点となり、高麗橋東南詰に元標が建てられた。
★明治3年(187O)高麗橋は大阪で最初の鉄橋である。 また高麗橋は、江戸時代から公儀橋のなかでも重現され 、西話には町奉行所の制札場があった。
欄干の擬宝珠や西詰にあった櫓屋敷を模した親柱が、橋の歴史を物語っている。
梅田新道交差点
★現在は道路元標として梅田新道交差点西北角に移されている。